BVEにおける床下表現の研究
※追記:18/01/03 新しい台車製作法を発見したので追加しました
今年ももう終わりですね…まだ2か月半ほどしか活動していませんが、大変多くの方にお世話になりました。来年以降もよろしくお願いします。
さて、今年最後の記事ではBVEの車両ストラクチャの「床下」に焦点を当てていきたいと思います。車体に比べるとあまり目立つ部分ではないためにはっきりとしたセオリーのようなものがなく、その表現は作者によって千差万別です。丁寧に立体化する人、一枚板で済ませてしまう人、はたまたただ黒くするだけの人…などなど、作者それぞれのスタンスが現れる部分でもあります。
一枚の板で作るやり方(拙作)
透過テクスチャで立体化するやり方(都営浅草線・京急本線より)
透過テクスチャを用いず立体化するやり方(都営浅草線・京急本線より)
今回は「できるだけ楽にそれっぽく作る」という私のスタンスに基づき、一番上の一枚板で作る方式を紹介していきます。
この方式の要はずばり「影との境目を感じさせない」ことであり、床下と影の両方にテクスチャを貼ることが特徴です。写真さえあればそれを切り抜いて板に貼り付けるだけで終わるため、手間はほとんどかかりません。欠点としては、下から見上げた時などには立体感を感じられないことや、普通のストラクチャとして配置すると透過テクスチャのため透過不良を起こしがちなことでしょうか。
解像度を低くするほどに透過不良は目立つようになります
これに対応するには、他列車として配置してしまうのが一番手っ取り早いです。他列車は読み込みの順番の関係上他のストラクチャと透過不良を起こさないため、このようなストラクチャを配置するにはもってこいです。いくつも読み込むと重くなりそうに見えますが、実際のところただのテキストファイルなのである程度数が増えてもそこまで影響はしません。
影の表現の研究
— Jimba (@Jimba_5001) 2017年10月17日
ホームのオブジェクトと一体化したり他列車として配置することで透過不良を防げるらしい pic.twitter.com/YH3aVWMxrW
これのモニタも列車として配置しています
18/01/03追記
透過不良に対する別の対策法を発見したので追記しておきます
これをモデル側で80%くらいの透明度に設定するといい感じになる pic.twitter.com/oKsGCmVvYq
— Jimba (@Jimba_5001) 2017年12月31日
このツイートに貼り付けた画像は私が今まで使っていたものと違い、透明度は0か100、すなわち半透明部分の一切ない構造になっていました。
私は今まで「透過部分がある限り、水平面に対して配置すれば確実に透過不良を起こす」という認識でしたが、実際にはどうやら少し違ったようで、正しくは「半透明部分がある限り、水平面に対して配置すると透過不良を起こす」ということだったようです。
これは一見大したことないようで実は大きな差で、「半透明部分の一切ない画像は透過不良を起こさない」ととらえることもできるのです。
これに基づいて年末から影の画像をこれに差し替えたうえでモデル側で透明度を設定していたのですが、ここで次なる壁に当たってしまいました。
ここで透明度を付与しておかないとただの黒い板のままです
次の壁とはBVE特有の性質で「モデル側で透明にすると透明にしていないモデルと必ず透過不良を起こす」というものです。これが厄介極まりない性質で、たとえばテクスチャを張り付けていない半透明の板を影として車体の下に組み込むと、透過テクスチャの床下とどう頑張っても透過不良を起こしてしまうのです。
下の道床が透けてしまっています(富士急行線より)
これを解決するにはまず、床下テクスチャの半透明部分を完全になくします。やり方は簡単で、GIMPなどで10回コピーしたレイヤーを結合し、それをまた10回コピーし…を3回繰り返すだけです。こうすることで透明度が0.01%の部分も100%になり、半透明部分は失われます。
次にこちらにも透明情報をモデル側で付与しておきます。値は限りなく大きくしておきます。メタセコイアであれば99%(0.99)で大丈夫です。理屈はわかりませんが、とりあえずこうすることで透過不良がなくなります。
Sturucture.Put構文で置いていますがきれいに表示されていて気分がいいです
この手法は見つけたばかりなこともあって今のところ不具合等は見つかっていません。ただ、透明度情報をモデルに付与している分若干容量が増えてしまっている可能性があるので大量配置には注意が必要かもしれません。
…話がそれましたが、床下の制作方法を紹介していきます。まず、斜めの角度から撮った床下の写真を用意します。サイズはそこまで大きくなくても大丈夫です。
この角度を意識して車体を撮っていれば写り込んでいるはずです
それを遠近補正し、一両分つなげてから余計な部分を切り抜けばテクスチャは完成です。
板ポリゴンに貼り付けて、影ストラクチャと合成すれば完成です。
最後に編成を組むわけですが、この時必ず後ろ側の車両から配置していきます。後ろ側をあとから記述してしまうと描画順の関係で車両同士で透過不良を起こすからです。
少々長くなりましたが、ようやく解説は終わりです。まだまだ言葉に表しにくい「マイルール」のような部分は多いので、困ったことがあった場合はお気軽に質問してみてください。
2017年も残り僅かになりましたが、それでは皆さん良いお年を…